1.新生銀行の金利プラン
各種金利プラン
親戚銀行のホームページを見ると、やたらと「初回利率変更日」という文言が使用されている。金利の説明前に、この「初回利率変更日」を整理しましょう。
初回利率変更日とは
「初回利率変更日はボーナス返済のご利用状況に応じて次の通りであり、その後半年毎に利率変更日が設定されます。」(説明PDFファイルより抜粋)
条件 | ボーナス返済月 | 初回利率変更日 |
ボーナス返済の設定なし | - | 初回の約定返済日から起算して、6回目の約定返済日以降、最初に 到来する6月27日または12月27日のいずれか早い方 |
ボーナス返済の設定あり | 6月と12月 | |
7月と1月 | 初回の約定返済日から起算して、6回目の約定返済日以降、最初に到来する7月27日または1月27日のいずれか早い方 |
変動金利(半年型)タイプ ここがポイント!!
当初借入金利が低く抑えられているように見えますが、初回利率変更日以降は、基準金利より、-0.4%となる。2015年5月現在の金利で考えると以下の通りとなる。
対象期間 | 適用金利 |
当初借入金利適用期間 | 0.88% |
上記以降 | 基準金利1.6% - 0.4% = 1.2% |
結局、最初の半年程度は金利が低く、それ以降は、そこそこの金利となることが分かります。住宅ローン金利の比較サイトなどでは、当初借入金利が掲載されているケースが多いため、正しいランキングとなっていないことがありますので、気を付けたい一番のお倒し穴がこの金利の罠です。最近の変動金利は0.5%台もあるので単純に考えて倍の金利となるため、結果、新生銀行の変動金利は、高いと判断できます。
長期固定金利タイプ
2015年5月現在の長期固定金利は以下の通り。
金利タイプ | 借入期間 | 適用金利 |
25年固定 | 21年以上25年以内 (1年単位) |
1.9% |
30年固定 | 26年以上30年以内 (1年単位) |
2.2% |
35年固定 | 31年以上35年以内 (1年単位) |
2.2% |
現在の固定金利は、35年固定で1.7%前後の銀行もあり、また、フラット35の金利も1.5%前後と低金利を更新している。結果、新生銀行の長期金利は、高いと判断できます。
2.その他のサービス的メリット
安心パック おすすめ!!
新生銀行には、他の銀行にはないサービスが存在します。それが「安心パック」です。「安心パックW」もありますが、ハウスクリーニングなどが付加されるものなので、「安心パック」で充分です。
安心パック・サービス名 | サービス内容 |
コントロール返済 | 一部繰り上げ返済した期間分の返済をお休みすることが出来るサービス。但し、返済をお休みしても利息の返済は発生する。 |
安心保障付団信 | 特定の症状によらず、引受保険会社所定の要介護状態が180日以上継続した場合、または、公的介護保険制度の「要介護3以上」に認定された場合に介護保険金(住宅ローン残高相当額)が支払われ、返済に充当されます。 |
とっても便利な「コントロール返済」
実際に病気になって入院した場合、ケガをして入院となった場合、元本の返済をお休み出来るという、非常に役に立つサービスです。電話1本で実行可能であり、他の銀行にはない新生銀行ならではのサービスとして特化しています。
安心保障付団信
原因に関わらず、特定の要介護状態となった場合、保険金が支払われるものです。疾病保障のような特約の弱点を克服し、「ケガ」を保障しているようにも見えるのですが、実際に保障している訳ではなく、あくまで要介護となれば保険金が支払われるというシンプルな保障である点に注意が必要です。実際に病気やケガで長期入院となった場合でも、要介護状態とならなければ何の保障もしてくれません。
3.万が一のとき
コントロール返済があるため、支払いに困ったときは、電話1本で月々の返済を利子のみとすることが可能です。但し、繰り上げ返済した分の期間だけですので、この点には注意が必要です。コントロール返済により、保険の絵続き、病院の手続きなどに余裕を持って臨むことができるので、本当に困ったときに使える仕組みだと言えるのではないでしょうか。コントロール返済を意味のあるものにするため、最低でも1年分は繰り上げ返済をしておきたいところです。
<ケガや病気で入院した場合>
コントロール返済により、月々の返済を利子のみとする。入院費は医療保険にてカバーすることが必要となります。
<ケガ、病気で介護状態となった場合>
コントロール返済により、月々の返済を利子のみとする。余裕を持って生命保険、金融機関の手続きが可能となります。
<リストラされた場合>
コントロール返済により、月々の返済を利子のみとする。余裕を持って転職することが可能となります。
4.その他の注意点
他の銀行と同様に、新生銀行も繰り上げ返済手数料が無料となっています。しかし、他の銀行と異なり「期間短縮型返済」のみの取り扱いとなっていますので注意が必要です。但し、コントロール返済を多用することで年間の返済額を低く抑えることは可能です。
5.まとめ
これまでを振り返ると、以下のような特徴が上げられる。
・金利は、高い。
・コントロール返済は、とても便利である。
・安心保障付団信は、他の銀行の団信・特約と比較して、特段の優位性を感じない。
結果、新生銀行の住宅ローンは、コントロール返済のみが魅力の住宅ローンと位置付けられる。繰り上げ返済についても、期間短縮型しかなく、月々の返済額を下げることは出来ないため、家計的には厳しくなるケースも想定される。但し、実際に何かあった場合、コントロール返済が大きな役割を果たすのも現実である。
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